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長谷川式が10点アップ!治療方針まで変更へ!!

こんにちは。
2回続いた3連休、皆様はいかがお過ごしでしたか?私も柏の実家に帰省したり、宇都宮動物園で子供と一緒にキリンにニンジンをあげたりと楽しい休日を過ごしました。

最近読んだ本です。
『そして父になる』
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福山雅治さん主演で映画化されましたね。自分の小さな子供に置き換え、ある日お世話になった産科病院から私の所に電話があったらどうしよう…う~ん…と胸がしめつけられるような気持ちになりました。私だったら、まだ1年しか一緒にいない下の子だって、もう手放すことは絶対に出来ない気がします。最後は清々しく温かい結末で感動です。

 さてさて、今日も嬉しい改善例のご報告です。

内科系の腫瘍がある方ですが、認知症もあるため‘これ以上積極的な治療の適応がない’として、緩和ケアにシフトしていく方針で当院に紹介となりました。(当院は訪問診療も行っているため)
3ヶ月前の初診時、紹介状に認知症のタイプについては記載されていませんでした。認知症については、5年前から精神科に通院されていたのです。そこでリスパダール1mg、アーテン2mg、リスミーなどが処方されていました。

「薬が始まって認知症症状は良くなりましたか?」と聞いたところ、ご主人がボソッと「いや、むしろ悪くなった気がする。歩けなくなった。」と。初診時、長谷川式は12点、暗い表情で口をモグモグさせており(Oral dyskinesia)歯車様固縮がしっかりありました。以前はしょっちゅう転倒しては頭を打撲しており、最近は臥床しがちとのことです。レビー小体型認知症だと思いました。(後日時間をかけて診察すると、レビースコア10点、ピックスコアも5点でLPCと診断しました。以前は気に入らない人に物を投げることもあったというエピソードからは、ピックの要素を感じます。)

 あちこち通院されるのも大変になってきたとのことで、今後は内科も精神科も当院で処方をまとめることになりました。最初に行ったのは、レビーの歩行を悪化させるリスパダールを中止することでした。次にアーテンをメネシットに変更しソラナックスを中止すること。

 リスパダールを中止して1ヶ月半ほどたった頃、驚くことに紹介元の総合病院の先生からお手紙を頂いたのです。
「リスパダールを中止してから、こちらの治療がしやすくなり感謝しています。」
腫瘍に対しまだ残された治療をしていたのですが、その時の本人のコミュニケーション能力、歩行能力がかなり改善しそのため治療がスムーズになったとの、とても嬉しいお手紙でした。その後ご本人が受診されたのですが、確かに驚くほど改善していました。自宅でもほとんど転ばなくなったとのこと。
驚くことはまだまだ続きます。あまりにも改善が著しかったため、総合病院で当初はまず無理だろうと思われていた手術まで、再検討しようという方針になったのです。結果的には外科の先生とご家族の話し合いの中で、自宅で過ごせる時間を大切にしようと手術は行わないという結論に達しましたが。私自身は、その方の総合的な状態を考えると必ずしも手術をすることが正解かどうか微妙なところなので、手術をしないのも一つの選択肢かとは思います。ただ、全く認知症に関わっていない別の先生の目から見て、もしかすると手術もいけるかんじゃないか、と短期間に方針を変更されるケースはあまり経験したことがないので、それほど見た目の印象が変わったという事実を素晴らしいと思いました。訪問診療も行う者として、この方に残された人生の大切な時間を、できるだけ家族と穏やかに過ごして頂こう、最後のお別れの時まで継続して力になろうという意欲でいっぱいです。リバスタッチパッチを追加したのがごく最近のことなので、もっともっと良くなるという期待を持っています。この方の長谷川式は…なんと22点になっていました。

それにしても、この方の改善のスタートは『ひき算』でした。レビー小体型認知症の方の大きな特徴に薬剤過敏性があり、一種類の薬が破壊的にその方の活動性を奪います。難しいのが、それが薬のせいなのか認知症や加齢に伴うあがらえない衰弱なのかが、一般の方から見て見分けがつきにくいということです。この方も、悪性腫瘍で総合病院を受診するという一つのきっかけがなければ、そのまま‘やむを得ない経過’として認知症の治療を継続されていたと思います。もっともっと潜在的によくなる可能性を秘めた患者さんがいる、ということを実感する今日この頃。コウノメソッド初心者ながら、待っているだけではなくこちらからもどんどん地域に情報を発信をして、認知症患者さんが改善するお手伝いをしたいと思います。
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by kasama-hospital | 2013-09-24 12:05 | 認知症・介護

レビー小体型で2例目の著効例!

今日は訪問診療を行っているレビー小体型の著効例をご報告します。

80歳台の男性。5年前に振戦・夜中の大声の寝言・意識消失があり別の医師によってレビー小体型と診断されています。長谷川式は26点でした。中核薬はずっと入っていません。ドプス・セルシンを使ってめまいで歩けなくなった既往あり。3年前から嗜眠、小刻み歩行、嚥下障害が出現。昨年には長谷川式が10点まで落ち、ドプスからネオドパゾールに変更されています。2回意識障害で総合病院に救急搬送されるも、器質的異常なく「脱水」と診断されていました。

 1年前に私が訪問診療の担当になりましたが、「よく転び、よく寝ている」状態をそのままに診ていた(いや、診ていなかったか)ことを自戒を込めてここに告白します。ただただ前医の処方を継続していたのです。訪問する度に、ベッドの上で猫のように体を丸め、起き上がった姿を見たことがありませんでした。全く動かないので冬は指の先まで冷え切って暗紫色になっていて、まさしく冬眠しているようでした。質問すると目をつぶったまま面倒くさそうに一言二言。

 6月の訪問時にご家族が「段々バカになる。」と言ったとカルテに記載あります。このころ遅ればせながらコウノメソッドによる患者さんの見直しを開始。6月中旬にセルシン2T2×を徐々に減らして中止。これだけで家族が「ずいぶん目が覚めた。」と言った時には、これまでの自分の怠慢を悔やみました。7月中旬にニコリン注射1回目、サアミオンを開始。河野先生に相談の上、ネオドパはレビー小体型に相性が悪いとのことでメネシットを院内採用して切り替え。そして8月中旬にイクセロンパッチ4.5mgを開始しました。

 そしてつい先日の訪問で、嬉しい驚きが。私たちがお邪魔すると、座って待っていてくれている患者さんの姿が。目もしっかり開いて「昔は遊び人だったんだ。今は遊びにも行けないけど。」と言うなど、会話が普通に成り立ちます。歩いてもらうと膝が屈曲ぎみのパーキンソン歩行ですが、足取りはしっかりしていてご家族いわく「転ばなくなった」とのこと。更に嬉しいことに、最近は「相撲を見よう」とテレビをつけるように家族の方に頼んだり、自分から新聞を広げるようになったとのこと。レビー小体型で頭の中に霧がかかった状態から、霧がスーッとはれて集中力が増したのでしょうか。家族の方に「どの薬が一番効きましたか?」と聞くと「貼り薬が始まってから特にだね。今の薬とは相性がいいみたい。」と答えて下さいました。この日もニコリンを打ってきました。

 とにかく丁寧にやるべきことをやるだけですが、こんな風に著効する方がいるとますます頑張ろうと思います。レビー小体型は、治療によって運命が極端に左右されると言われる疾患と言われています。クスリのさじ加減によって、奇跡的な改善を見ることもある一方で、治療を間違えば死の淵まで追いつめられることもあると。この方は良い経過を辿りましたが、治療が間に合わなかったらと思うと…責任の重さを実感しました。

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さてさて、写真は日本内科学会のセルフ・トレーニング問題。内科認定医を更新するためには、一定の単位を取らなくてはいけません。日本全国の勉強会や学会に出て行っても単位は取れるのですが、小さい子がいるためそうそう家をあけられず。家にいて取れるものは家で。久しぶりのマークシート、幅広い科の問題に、国家試験を思い出しました。すっかり忘れていたまれな疾患を復習するよい機会になりました。
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by kasama-hospital | 2013-09-15 04:42 | 認知症・介護

絵本立て

長男の誕生日に、絵本立てを贈りました。高知県のなかよしライブラリーという所で作られたものです。すべすべとした木の触感が非常に心地よく、檜のよい香りがフワッと広がって、大人への癒し効果も抜群です。

私自身読書が大好きなので、子供にも本を楽しんでほしいな…という願いを込めて。
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先週はプライベートでとても辛い別れがあり、正直今もしんどさを引きずっています。まっすぐ駆け抜けた個人の遺志を継ぐべく、頑張っていきます。

お仕事上では、

・グラム染色中級試験3回目のレポートを送りました。

 認知症にかかりっきりでこちらの勉強は完全に疎かです。慌てて『微生物検査アトラス』を追加購入してみましたが、試験前に慌てて買ってもね…。自分にとっては認知症と同じくらい重要な位置づけなので、今後は腰を据えて取り組みたいと思います。

・9月から『もの忘れ外来』を始めました。
 
 初心者の私には、混みあった通常の外来で初診患者さんを的確に診断し治療に結びつけることがなかなか難しく。まずは多少時間がかかっても、丁寧に話をお聞きし所見を取るという作業を積み重ねたいと思います。水曜日の午後、お一人30分を目安に予約枠を設定します。
 コウノメソッドに関わる諸々のエピソードも続々あり、アップしたくてうずうずしていますが、キャパシティオーバーで、頭の中でうまく整理できません。おいおいアップできればと思います。

 何かに力を入れると全力投球になりやすい自分の不器用さを日々痛いほど感じています。医療の中での分野ごとに力を入れるバランス、そして仕事と家庭のバランス、悩みはつきませんが、焦らず地道にやっていきます。
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by kasama-hospital | 2013-09-09 07:06 | プライベート

今日も張り切って診療中


by kasama-hospital

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