カテゴリ:認知症・介護( 20 )

種をまく(レジデントセミナー)

先日5月22日、茨城県立中央病院で行われたレジデントセミナーに出席し、研修医の先生方にお話する機会を頂きました。

30分でコウノメソッドについてのお話と言うのは、正直な話、ハードルが高く感じられました。これまでは診断編・治療編の2時間コースでお話することが多かったので。もう少し時間があれば…。しかし声をかけて下さったのは総合診療科の関義元先生。大学時代から培われた先輩後輩の間柄は、いわばのび太とジャイアンのようなもの(!)逆らえる訳がありません。悩んだ末に、認知症の中でも見落とされやすいレビー小体型とピック病の2疾患に絞り、診療についても一番伝えたいメッセージを強調して、駆け足でお話しました。

e0320283_17342936.jpg


 研修医の先生方は、通常業務を終えた夜8時半から9時という疲れマックスであろう時間帯にも関わらず熱心に聞いて下さいました。終了後には学生さん、研修医の先生、そしてベテランの先生にまでお声をかけて頂き、本当にお話できてよかったと思いました。

 そしてこの話にはまだまだ嬉しいおまけが。今回のレクチャーを受けて、今後は中央病院の総合診療科の先生方と認知症の困った症例について一緒に検討する『The 認知症回診』の話が出ているのです。一人でも多くの研修医の先生に、自分の患者さんがよくなっていく姿を目の当たりにしてもらい、認知症は良くなるものだということを実感してもらえれば…。

 今回関先生には冒頭で「最近白土先生は認知症診療にのめり込んでおり…」とご紹介を頂きました。う~ん、自分自身では、いたってクールに事を進めているつもりですが。石橋を叩かずどんどん渡るおっちょこちょいな自分ですが、今回ばかりは自分の「よく考える前に行動する」習性に感謝。一つ階段を上がる度に新しい世界が見えていくようなワクワクした気持ちを味わっています。

 ゆくゆくは茨城県内のコウノメソッド実践医の数が増え、患者さんが長い距離を移動しなくても近くに相談できる医師がいる状況が望ましいですね。(現状では茨城県では実践医が一人のため、茨城県全域、のみならず最近は実践医のいない福島県からも患者さんが来て下さっているのが実情です。)医師としての自分を育ててくれている茨城県に、何とか恩返しができればと思っています。

関係者の皆々様、貴重な機会を本当にありがとうございました!
[PR]
by kasama-hospital | 2014-05-29 17:34 | 認知症・介護

つまりはフェルガード…だったのか?

またまたご無沙汰しています。ようやく春の足音が聞こえてきましたね。大好きな春です。

 久しぶりに症例のご紹介をしてみます。

80歳代前半の男性が、かかりつけの先生からの紹介状持参で受診されました。予約でのもの忘れ外来受診を待てないほど切羽つまった様子でした。数か月前から体の動きが悪く転ぶことが多くなり、顔面を打撲したり腕の骨を骨折するようになったとのことです。幻視(実際にはない物が見えること)もあります。一方で座らず立ったままで食事をするほど落ち着きがなく、不眠で一晩に20回以上トイレに行くなどの症状もありました。紹介元の医療機関からは、リフレックスという抗うつ薬やドグマチールという抗精神薬が処方されていました。

外来での診察所見と暮らしぶりを聞き、LPC(レビー・ピック複合)と診断しました。最近このタイプの認知症はとても多いです。ピックの荒ぶる陽性症状とレビーの傾眠(ウトウト寝てしまう)に代表される陰性症状が入り混じり、治療に苦慮することが多いのがこのタイプです。

前回の記事で入院の適応について触れ、私の失敗例もお示ししましたが、何を隠そうそのモデルがこの方です。自宅が自営業で繁忙シーズンなのに患者さんに振り回され家族が疲れ切っているということもあり、入院で内服調整しようと思ってしまったのです。外来では一応こちらの話に頷いていましたが、病棟に上がってからはソワソワと落ち着かなくなり、最終的には

「なんでこんな仕打ちを受けなくちゃならんのだ!訴えてやる!!!」

となってしまい、入院同日のお帰りとなった訳です。お迎えにこられた息子さんとお話をし、
ウィンタミン量の自宅で調節(家庭天秤法)をお願いし、フェルガード100Mの内服もお勧め、脊柱管狭窄症由来の足のしびれにはリリカを処方しました。

 退院翌日、ケアマネージャーさんから電話があり、ウトウト寝ていて歩けないとの報告を
受けました。家庭天秤法に従ってウィンタミンを減らすように指示をし、自宅で様子を見ることとなりました。

 2週間後、こちらの気がかりを裏切るようにご家族がニコニコして報告して下さいしまた。

「ずいぶんいいです。歩いています。」

ウィンタミンは1包まで減らして様子を見たものの、最低量でもフラフラしてしまうとのことで、結果的にウィンタミンは使えなかったようです。本来なら危機一髪…。でもずいぶんいいってどういうこと?!

その後自分の目で本人を診察し、納得せざるを得ませんでした。本当に調子がいいのです。診察室でニコニコ穏やかに笑っており、デイサービスは楽しいから毎日でも行きたいと言うのです。家族の話では傾眠も見られなくなり、転倒もしなくなったとのこと。

 ご家族に喜んで頂き結果オーライではあるものの、正直いまいち釈然とせず、いい方向に向かった理由を自分なりに考えてみました。

・パーキンソニズム(歩行障害)を悪化させるドグマチールと、認知機能を低下させる可能性がある抗うつ薬を中止したこと
・フェルガード100Mを開始したこと
・リリカを開始ししびれが和らいだこと(以前はシーツのしわに触れてもビリビリ痛み、夜眠れなかったそうです)

 今回は引き算と、ほんの少しの足し算ですね。困ったら家族に聞けという教え通り家族の方にも聞いてみたところ、やはりフェルガード100M(米ぬかの成分フェルラ酸とガーデンアンゼリカというハーブの配合サプリメント)が効いたのでは…と言います。

 外来で穏やかな笑顔を見せる患者さんを拝見し、改めてフェルガードの威力を感じました。ご家族も以前よりは介護負担が減り、仕事として栽培されている果物も、無事出荷することが出来ました。その果物を購入した看護師さんのお陰で、ナースステーションは果実の甘~い香りに包まれました。

 さて、春と言えば出発の季節。春から入園の息子のために、私も慣れないミシンと格闘し袋物をこしらえました。近くで見るとありゃ…という出来栄えですが、私の実力120%です。息子に負けないよう、私も頑張って新しいスタートを切りたいと思います。
e0320283_7425720.jpg

[PR]
by kasama-hospital | 2014-03-29 07:42 | 認知症・介護

認知症と入院

 当院は多くはないものの入院病床を持っています。入院ができるということを、認知症診療においてどのように有効活用できるか?これは今後の課題の一つです。メリットは、昼夜症状を見守りこまめな薬剤調整が出来ること、陽性症状で疲弊しきったご家族にほんの少し休んで頂けること。デメリットは言うまでもなく「環境がガラリと変わること」です。慣れ親しんだ自宅から離れること事態が、患者さんを落ち着かなくさせてしまうことは、残念ながら事実です。このあたりを十分理解できていなかった私は、家族からのSOSに対しコウノメソッドがあるさと自信ありげに入院をお受けして、数名で痛い目に遭いました。

圧倒的な失敗パターンは、体がピンピンして自覚的な身体症状に乏しい時に、認知症の症状コントロールのみを目的に入院して頂いた時。陽性症状を制御しきれず数日で、下手をすると入院したその日の午後に退院にならざるを得ないという残念な結果に。本人は病識もなく、自覚的には痛くもかゆくもないのですから、自分がなぜこんないきなり場所にいて、自宅のように自由に動き回れないのか納得がいかないのも当然ですね。うちの病院の看護師さんはかなり我慢強く対応してくれますが、怒って抑制薬を飲むどころの騒ぎではなかったり、激昂した状態で飲んでも焼け石に水で効果に乏しかったり。そうこうしているうちに呼び出されて付き添うこととなったご家族が「いいです。もう家に連れて帰ります。」という展開に。本当に面目ない。

一方肺炎や尿路感染、脱水などで体が弱っている時は、

「このままじゃご飯も食べられないし、少し入院していきましょうか?」

という外来での声かけに、コクンと頷いて頂けることが多く、一応「合意の上の入院」ということになり、しめしめ…です。スタート地点からして違うのです。2階に上がると多少は落ち着かなくなることもありますが、なにぶん数日は体が弱っているので上の例ほど過激にならない印象が。脱水や感染症が落ち着く頃には、それなりに病院の環境に慣れていることが多く、‘ついでに’認知症の評価や薬の調整をしやすい。ご家族にも「肺炎で入院させたのに穏やかにしてもらった」と+αで評価して頂けることが多く、お得感があり。こんな言い方は失礼かもしれませんが、『弱った時が介入しどき』というのが現時点での私の結論です。そのようなチャンスが訪れない時は、できるだけ外来で頑張るのがお互いのためかもしれません。

 当院では入院中の患者さんにも『家庭天秤法』(病棟天秤法?)を適応し、処方した抑制薬が弱すぎて興奮が強ければ抑制薬を増量し、効き過ぎて昼間からウトウトしているようであれば減量する…という調整を行える体制を取っています。自宅でウィンタミンを使って穏やかに過ごされていた方が、誤嚥性肺炎で休薬した途端に「このデレ助!」「ブス!」「うるさいんだよ!」とバラエティ豊かに悪態をつくようになったり、午前中はその辺りに唾を吐いていた方が、ウィンタミンを飲んだ午後はケアにも抵抗せず穏やかだったなどの変化を目の当たりにした看護師さんがしみじみ

「先生、抑制薬って本当に人格を変えるんですね…。」

ナースステーションでこのつぶやきを聞いた私は、こうやってスタッフの認知症症状や薬剤に対する知識が深まるということも、入院治療がもたらす副次効果なのだな…と実感しました。

 さて、今日も一日頑張りましょう。皆様もよい一日をお過ごし下さい。
[PR]
by kasama-hospital | 2014-02-19 07:06 | 認知症・介護

近況報告

ずいぶんとご無沙汰してしまいました。今日は簡単に、当院の近況報告のみ。

★もの忘れ外来の予約待ち期間が、短縮しました

 茨城新聞の威力は予想以上で、直後から予約の電話が殺到してあっと言う間に初診が7月中旬まで埋まってしまいました。何か月も待つ余裕がない方のことを考え、急遽2月と3月の木曜日をもの忘れ外来に当てることにしました。これでほとんどの方が遅くても4月までに外来を受けられる状況となっています。
4月以降については、これまでの水曜日午後に加えて、金曜日午後ももの忘れ外来を行うことが出来そうです。やりたいことをやらせてくれる病院の柔軟な対応に感謝。そして枠を広げる以上、きちんと地域での広報活動も継続し、困った方を救うセーフティネットの機能を果たさなくてはいけないと自分に言い聞かせています。
診療時間そのもののスピードアップという面ではもう少し工夫が必要で、こちらも同時進行で頑張ります。(河野先生の外来見学を切望しています…) 

★グルタチオン点滴が使えるようになりました

 河野先生のブログで紹介されているグルタチオン点滴(パーキンソン病・レビー小体型・LPCなどで歩行改善効果が期待できると言われている薬)が、2月10日から当院でも使えるようになりました。劇的に歩行が改善する方がいるとのことで、それを目の当たりに出来る貴重な瞬間を心待ちにしています。改善例はブログで随時ご報告させて頂きます。

 改善例もたまってきているので、またぼちぼちアップさせて頂きます。
皆さん、インフルエンザが流行っていますので、お気を付け下さい。(私も先日インフルエンザAを発症して、一家全滅しました・・)
[PR]
by kasama-hospital | 2014-02-13 17:55 | 認知症・介護

家庭天秤法に救われました…

 先日初めて‘コウノメソッド卒業患者さん’が誕生しました。短期間ながら色々と学ぶところがあったため、経過を振り返ってみます。

 他院から転院となった80歳台の女性。3年前から近所の人に性格変化を指摘されるほど物の言い方がきつく、攻撃的な言動が目立つようになる。2年前には孫の顔がわからなくなり、通販で健康食品や補整下着などの高額な買い物をするなど浪費が目立つように。そして昨年10月下旬に突然外出したまま帰宅せず、一山越えた場所で警察に発見され総合病院に救急搬送されました。創傷治療が一段落したところで、介護環境を整える目的で当院に転院となったのです。

 診察時は愛想がよく協力的、歩行はスムーズで歯車様固縮なし。長谷川式は14点、遅延再生0/6、野菜の繰り返しあり、時計の数字が逆回転。アルツハイマースコア5点(迷子・遅延再生・繰り返し・時計の全体偏位・逆回転)ピックスコア3点(委縮の左右差、ピック切痕)、レビースコア2点(日中の嗜眠・幻視)スコアだけを見るとアルツハイマーになりますし、態度もにこやかで一見礼節が保たれていますが、家族の話では自分の味方だと思うと愛想がいいが自分に批判的だと思うと突然豹変するとのこと。また山を一つ越えるという行動の激しさはアルツハイマーの近所の慣れた道で迷うというイメージとは異なり、浪費のエピソードと共にピック的。CT所見もそれを裏付けます。ミニLPCと診断しました。

 いずれにせよ、この方で最も大切なのは陽性症状のコントロール。ウィンタミン計8mg(4mgを朝夕)を先に開始し、状態が落ち着いていることを確認した上で1週間後にリバスタッチパッチ4.5mgを追加しました。(リバスタッチパッチには弱興奮作用があるため)パッチ開始後にやや落ち着かない感じとなり、最終的にはウィンタミン18mg(6mgを食後3回)で退院し、施設入所となりました。入院中はフェルガード100Mも併用していましたが、退院と同時に家族の希望で中止となっています。

 問題は退院後です。退院後3週間の外来で、紹介状に「2回も施設を抜け出して施設近辺で発見された」と書いてあり、青ざめました。そのためでしょう、施設ではウィンタミンが計37.5mg(12.5mg錠剤を食後3回)まで増量され、数日後に傾眠・ふらつきが出現。ウィンタミンを25mgまで減らすも食事が取れないほどの傾眠とのことで、処方の調整を目的に私の外来を受診されました。数日前から、施設医師によってリバスタッチパッチがドネペジル塩酸塩5mgに変更されていました。

 まずは陽性症状が制御できない状態で退院としてしまったことをお詫びした上で、紹介状のお返事で次のようにお願いしました。

1つ目は、ドネペジル塩酸塩5mgはレビーに対して歩行障害出現、ピック病に対して前頭葉ストレッサーとして働くリスクが高いため、中核症状改善薬はリバスタッチパッチ、もしくはレミニールを使って頂きたいこと。

2つ目は、施設で家庭天秤法を適応して頂けないかとのお願いです。眠気・ふらつきを起こさず、かつ穏やかでいられる至適量は、現場で本人を見ているスタッフや医師にしかわかりません。大人数を預かる施設ではそのような対応は難しいのかな…と思いながらも、せめて数日単位でもよいので調整して頂けないかお願いしたところ、ご家族の話ではそのように対応して頂けたようです。結果的にはウィンタミン18mg(6mg包毎食後)で落ち着きを取り戻し、その後は出て行くこともなくなった(施設という環境に慣れたというのも一因だと思います)とのことで、私もひとまず安堵しました。中核症状改善薬については施設ではレミニールなら処方可能とのことで、途中からレミニール4mgに変更されました。ナウゼリンを先行させたため、心配していた嘔気も出現していないと施設の看護師さんより報告がありました。

 そして先日、ご本人と家族が外来を受診されました。穏やかに笑顔を見せ、かつ自分の足でしっかり診察室に入ってくる姿を見て、本当にホッとしました。施設では毎日‘スタッフの作業のお手伝い’をしているとご本人がお話してくれました。家族の方も納得されたため、処方は施設担当医にお願いすることとなり、当院通院は一度終了となりました。(当院通院は、処方が『老人保健施設の他科受診』に該当してしまい、本人の経済的負担が大きくなってしまうため)

 このケースでの反省と教訓です。施設入所を控え、入院中にリバスタッチパッチの導入をしてその様子を見守りたいという気持ちがあったせいか、パッチ導入が早すぎたのかもしれません。フェルガード100Mが入所時から中止になっていたことも一因?本人にとっては当院入院から施設入所という環境の変化がストレスとなり、余計に落ち着かなくなってしまった可能性があります。ウィンタミンのみで退院とし、外来でリバスタッチパッチ導入した方が施設にご迷惑をかけずにすんだのでしょうか。

そして今回改めて、抑制薬を適宜調整する『家庭天秤法』の素晴らしさを実感しました。素晴らしいと言うより、それなしで抑制薬を処方する恐ろしさを知ったと言うべきか。施設でウィンタミン量をどんどん上げていき、傾眠やふらつきが出て食事を食べられなくなった段階で、もしウィンタミンがそのまま継続されていたら…と考えると、背筋が寒くなります。いわゆる『暴れていた患者さんが、静かになると同時に寝たきりになった』という事態になっていたことでしょう。柔軟に対応して下さった施設の先生や現場のスタッフの方々に心から感謝します。

 写真は、院内で調剤してもらったウィンタミン4mg包です。‘吹けば飛ぶ量’と河野先生がおっしゃるほどわずかな量ですが、この薬の効果は偉大。処方した翌月の外来での家族の笑顔を見ると、マジックパウダーと呼びたくなります。

e0320283_15105320.jpg

[PR]
by kasama-hospital | 2014-01-21 15:11 | 認知症・介護

茨城新聞に掲載して頂きました

 いよいよ冬らしく冷え込む日々が始まりましたね。今が底だと思うと、頑張れそうです。

 昨日の外来では、以前は寝たきりで大声で叫びっぱなしだったLPCの患者さんのご家族に、「びっくりするほどいいんです!表情が全然違う!歩いているんです!」と言われ、朝から幸せな気持ちになりました。

 年明け早々の1月8日、茨城新聞さんが当院のもの忘れ外来の取り組みを取り上げて下さいました。コウノメソッドの紹介に加え、実際に治療を行い改善が見られつつある患者さんの協力を頂きご家族のインタビューも掲載しています。
e0320283_6484987.jpg


 それと共に、『慌ただしい2014年の幕が開けた』という印象です。新聞の威力というのは予想以上に大きく、その反響の大きさに驚いています。掲載からまだたった3日ですが、連日のように予約受付の電話が入り、あっと言う間に予約を待つ方の人数が60人近くまで増えてしまいました。

 思った以上に認知症診療の実情は深刻なのだと言うことを、電話の件数とメッセージが物語っています。一件一件の電話の向こうに、日々の暮らしの中での家族の切実な物語が存在します。新聞をたまたま目にしなかった(見る余裕もない?)潜在的な患者さんも相当数いるのでしょう。予約外来を待っている間にも病状が進行してしまうのではないかと心配されるご家族の不安はもっともで、やむを得ないと傍観していられない緊急事態。

 現状では、予約外来の枠は水曜日の午後のみで、物忘れ外来と禁煙外来がこれに該当します。それ以外の時間には通常の一般外来、内視鏡や超音波といった検査、午後は在宅患者さんの訪問診療や健診、予防接種と予定が詰まっており、プラスアルファで割ける時間がないのが実情です。
 また9月にコウノメソッドをスタートさせたばかりの私の最大のウィークポイントは、初回診療にかける時間がどうしても長めになってしまい、多くの人数を診ることが出来ないということ。初回はこれまでの経緯をお聞きし、長谷川式、各タイプごとのスコアをつけ、頭部CTと血液検査の後に、診断名と治療の説明を行います。キャリアの圧倒的な差があるとは言え、師匠である河野先生の初診平均17分というのは、私にとっては驚異的です。ゆっくりと話をすることでご本人や家族の気持ちを汲むことができるというメリットがある一方で、やはりこれだけ多くの方が待っている現状を考えると、スピードアップは必要です。

 患者さんの全身を診たい、継続的に診たいという総合診療科的な気持ちは今も強く持っており、そこは少々ジレンマではありますが、大きな方向性についてのんびり考えるのは、もう少し後。今は求めて下さる方がいる以上、未熟であっても全力を尽くすのみ。大急ぎで事態を改善させるべく、動きたいと思います。困っていらっしゃる患者さんとご家族の方、必ずご期待に応えますので、ほんの少しお待ち下さい。

 最後に我が家の残念なクリスマスケーキのご紹介。ホイップクリームを全部使い切ろうという浅ましさにより、非常に見苦しい見た目になってしまいました。しかも砂糖が黒糖だったため、クリームがほんのり茶色…。
料理の腕前の改善も今年の課題(むしろ急務?)ですが、キャパシティが狭いのでこちらは残念ながら後回しです。息子よごめん。
e0320283_647211.jpg

[PR]
by kasama-hospital | 2014-01-11 06:49 | 認知症・介護

レビー患者さんのご家族はすごいです!

 すっかりご無沙汰しているうちに、年末に突入してしまいました。外来・病棟共に忙しく、書きたいことが沢山たまっています。

レビー小体型の患者さんは、元来生真面目な性格で堅い職業(銀行員・税理士・教師など)についていた方が多いと言われています。そのような真面目な方は人生のパートナーとして真面目な相手を伴侶に選ぶため、生まれてくる子供も真面目になる。これを河野先生は『レビー遺伝子』と名付けています。このような子供は親が認知症になるや、認知症についてものすごい勢いで勉強し、あっと言う間に不勉強な医者を上回る知識を身につけてしまいます。

9月からもの忘れ外来を始めて、このレビー遺伝子をひしひしと感じるようになりました。

レビー小体の家族の特徴

その1)症状を詳細に記録して持参する。
 これが一番の特徴です。診察室に入って挨拶をしてさぁ本題というタイミングで、息子さんからそっとA4用紙が手渡されます。綺麗にパソコンで打たれホチキスで閉じられたそれを見た瞬間、中を読むまでもなく「レビーかも…」と思うのです。そこには、発症からの詳しい症状、いつどこを受診してどんな検査をし、何と診断されたのか、どんな薬が何mgで処方されたのか、その薬でどんな症状が出たのか…が詳細に記録されています。経歴に関しては私がカルテに追記する必要がないほどの完成度であることも。こんな素晴らしい病歴を書いて下さる方のご両親は、私の乏しい経験では100発100中でレビーでした。
肝心のA4用紙の内容と言うと、幻視や大声の寝言、歩行がゆっくりになっていくなどの典型的な症状が綴られ、「他院でアルツハイマーと診断されアリセプトを処方されてから」更に歩行が悪くなって歩けなくなった、今は昼間からウツラウツラと寝ている、などと書かれています。もう、記載内容全体から「うちの親は、レビーなんです!!」というメッセージが痛いほど伝わってきます。

その2)複数の家族が付き添って来院する。

 もちろん全員ではありませんが、これもレビーのご家族の傾向と言えます。緊張した面持ちの配偶者、娘さんや息子さんが何人も診察室に入ってこられて椅子が足りない時点で「もしやレビー…?」と思うのです。大切な両親の初めての診察だから…と言うことで、複数の兄弟姉妹が自分の仕事を調整して来られるのですが、2回目3回目の診察でも、何人かで付き添ってかわるがわる症状を説明して下さることもあり、とにかく熱心です。

その3)初診で既にフェルガードを飲んでいる。

 とにかく熱心に情報収集をされており、よいと思われることはやってみようというスタンスのご家族なので、健康食品であるフェルガード100M(米ぬかとガーデンアンゼリカの配合サプリメントで、認知症の予防・症状改善効果が高いと言われています)を既に購入し、飲み始めている方も多くいます。中には異なる2種類のフェルガードを朝夕と昼で飲み分けている方も。一般的な薬剤に対しての知識も深く、「今日は抑肝散とメネシットという薬を追加したいと思うのですが…」と言って詳細な説明をしようとしたところ、息子さんがメモを見ながら「よかった。実は自分も今日はこの薬を出してもらえないかと思って来ました。」と言われ、2人で笑ってしまったことがあります。それ以来、どう考えても知識がありそうなレビーのご家族には、最初の方で「コウノメソッド、知っていますよね?本も読まれました?」とあらかじめ確認をしてしまい、ごく初歩的な説明をスキップするようになりました。

3つの特徴を挙げてみましたが、全て根っこの部分は同じ。真面目で一生懸命という一言につきます。コウノメソッドを始める前の私が、それなりに認知症患者さんやご家族と接点を持ちながらも『レビー遺伝子』の存在を感じなかったのは、単に数を多く診ていないだけではなく、レビー遺伝子を持つ家族が納得・満足できるレベルの認知症診療を提供できず、そのような家族を引き寄せられなかったことも一因でしょう。それほど不勉強な医師にとって、レビー小体型のご家族は手ごわいのです。手ごわいと言うと語弊があるかもしれません。彼らは一般的に礼儀正しく、医療サイドに無理な要求をしたり、いまいちな治療をしてきた医者にさえ、それを糾弾するような真似はしません。冷静な目で「この医者に通院して良くなる可能性があるか」を判断し、ダメだと思ったらそっと離れていくだけです。一方で、こちらがきちんとした診療を行えば、その効果をきちんと観察して評価してくれる、副作用にも量を調整するなど冷静に対応してくれるという、この上なく頼もし
いチームの一員を担ってくれる存在です。

 私が直接ご家族から聞いた話では、そのようなご家族がレビー小体型では?と前主治医にそっと聞いた時の主治医の反応は

「アルツハイマー+パーキンソン病だと思います。」

「レビーだとしたって別に治療はありません。」

「(薬を減らしたいと言った)息子さんは医者なのか。薬を減らして悪くなっても、私は責任を持ちません。私は何千人も患者を診てきた。アリセプト10mgに増やしてもいいくらいだ。健康食品なんて意味がない。」
全て別の医師の発言です。知識レベルと人間性の両方を疑いたくなる3人目の医師の発言には、絶句しました。このような医師が「その道の世界的権威」として患者さんに紹介されたのです。レビーの家族が手ごわいというのは、家族が問題なのではなく、その思いを受け止める知識も情熱もなく、逆切れとも言えるべき発言をする医療側の問題だということがよく分かります。

 きたるべき2014年も、この現状を少しでもよくするために、頑張ります!皆様、よいお年をお迎え下さい。

 写真は我が家のクリスマスツリー。いたずら盛りの1歳児と3歳児がかたっぱしからオーナメントを引っ張って落としてしまい、寂しい飾りつけになってしまいました。
e0320283_7395929.jpg

[PR]
by kasama-hospital | 2013-12-29 07:41 | 認知症・介護

ケアマネージャーさんにSOS !!!

 9月 19日、11月21日の2日にわたり、笠間市の介護保険利用調整会議にお邪魔してケアマネージャーさんにお話をする機会を頂きました。内容は、コウノメソッドの理論に基づいた『認知症の診断・治療』について。以前からお話するチャンスを切望していたので、渡りに船です。

e0320283_40023.jpg


 なぜこのタイミングでケアマネージャーさんなのか? 

 それは、地域で潜在的に治療を必要としている患者さんを病院に連れて来て頂くためです。私がいくら何とかしたい!と診察室の中で焦っても、ご本人や家族の方がもの忘れ外来の存在を知らず、またどうせ治療したって…とあきらめていれば、受診して頂くことは出来ません。認知症にまつわる諸々の症状で困り介護保険のお世話になる時に相談役となるケアマネージャーさんなら、そのような方に受診をお勧めできる立場にあります。

 1回目の勉強会では診断編と題して、認知症の診断そのものに頭部CTは必要でないこと、認知症のタイプ鑑別にはCTが役に立つが、症状と身体所見でかなりいい所まで絞り込めることを説明し、タイプ別の典型的な症状をイラストを交えてお示ししました。1回目の狙いとしては、私のような若造と比べ物にならないほど沢山の認知症患者さんと接した経験を持つケアマネさんが、「毎日見ている〇〇さんは、レビーだったんだ!」と気づいて頂くこと。そして介護スタッフどうしでこっそりと「あの方の興奮は、どう見てもピック的だよね…。」と仮診断を下した上で、受診された際に、診断に重要なエピソード(診察や検査を渋った、万引きのエピソードなど)があれば教えて下されば理想的…です。

 2回目は治療編。認知症の考え方の大筋(家庭天秤法など)を示し、タイプ別の治療方針について説明しました。そして最後に、「ありがちだけれど患者さんを追いつめる治療のチェックリスト」を作り、他院でこんな処方を受けていて病状がよくならず困っている方がいれば、ぜひ病院を受診させて下さいとお願いして締めくくりました。

e0320283_4483.png


 反応は…手前味噌ですが、とてもよかったと思います。多くの方がうんうん…と頷きながら一生懸命聞いて下さいました。終わった後に鋭い質問もあり、「この病院を近いうちにやめる予定はないのですか?」という癒し質問もあり。(あ、でもいきなりいなくなられると確かに困りますよね。)

 終了後に頂いたアンケートでも、私の知って頂きたい!と強調したポイントが、きちんと理解されていることを感じました。また『認知症の方を担当して困難なケースはありましたか?』という質問に対し、33名中29名が『あった』と答えていたのが印象的です。その具体的な内容を読むにつけ、現場の切実さがひしひしと伝わってきて、大急ぎで対応しなければ…と感じました。『今回のような有益な講座をまたお願いします』という要望もあり、春には続編も検討されているようです。ありがたやありがたや。

 今回の試みは、以前河野先生が展開された『知立(ちりゅう)作戦』にならっています。認知症治療について一生懸命情報発信をしていても、医師がさっぱり動かない。それならケアマネージャーだ!!ということで、ケアマネージャーさん向けの勉強会を行い知識を普及したところ、認知症の症状や治療に詳しくなったケアマネージャーさんが、治療が必要な患者さんを河野先生の所にどんどん連れてくるようになった…中には来る前から診断をつけて、明らかに有害と思われる薬を調整するスーパーケアマネさんもいるとか。私はこの話を読んで、突破口を見つけようという情熱、考え方の柔軟さに、感動しました。

 勉強会の後に、嬉しかったことがいくつも。1回目の勉強会を終えて間もなく、あるケアマネさんが患者さんとご家族をもの忘れ外来に連れて来て下さいました。彼は最初に「コウノメソッドを知っている人は?」という質問に手を上げてくれたアンテナの高いケアマネージャーさんです。こういう方が笠間にいて下さることは、とにかく頼もしいです。

 そして今日、別件で外来に訪れた施設のスタッフも兼ねるケアマネさんが、フェルガードについての質問をしてくれました。彼女は担当者の家族にお渡ししようと、プリントアウトしたフェルガードの資料をバッグに忍ばせていました。コウノメソッドの波が確実に笠間市のケアマネージャーさんに広がっていることを感じます。

 今後は訪問看護師さんやヘルパーさん、ケアマネージャーと言ったコメディカルの方がもっと気軽に認知症の方の対応や治療について相談できるように、気軽な質問タイム(名称未定)の時間や場所を設定することを考えています。チームかさまの皆さん、ぜひ一緒にがんばっていきましょう!
 
[PR]
by kasama-hospital | 2013-11-28 04:07 | 認知症・介護

『深い霧が晴れると、そこには荒馬がいた』

 叙情的なタイトルをつけてみましたが、実はこれ、LPCの患者さんのことです。

 LPCと言うのは、レビー小体型・ピック病の混合型認知症の略。河野先生の造語です。
物わかりが悪い私に、患者さんが「まだわからないのか。それならほらまた!」と似た状態を示し、問題提起をして下さいます。しっかり肝に銘じて今度はうまく乗り切れるように、書き留めておきます。

CASE1)
とにかく初回のご本人は眠くて眠くて…。家族からの病歴とCT所見を元にLPCと診断したものの、初回のこの方はレビーが前面に出ており、ピックらしさを感じることはありませんでした。外来でためらいなくニコリン注射を打ったところ、早くも帰りの車の中で多弁に。それだけならまだしも、落ち着きなく何回も家を出て行くようになり、一度は警察まで呼ぶはめに。慌てて抑制薬であるウィンタミンを追加処方。
次の外来でご家族に
「ウィンタミンが出て本当によかった。」
と言われた時には、自分の診療でご家族に別の苦労を与えてしまったことを申し訳なく思いました。

 この方はウィンタミンが出てからも、診察室で座るのに少し時間がかかり、座るとよく意味のわからないことを怒ったような口調で言います。そして!腕組みしながら、よだれを垂らして寝てしまうのです!この姿を見た時には、これぞLPC!!と膝を打ちたくなるほどの衝撃を受けました。

 やはり日中の傾眠が目立つため、ウィンタミンを併用しながら再度ニコリン注射を行うとよい所に落ち着く可能性がありますが、奥様は「わかるんですけど…以前の落着きなさを思うと、もうちょっとだけニコリンは待って下さい。」と言って、ニコリン再トライは保留となっています。家族にこんなトラウマを与えてはいけません。

CASE2)
 前医の精神科でアリセプト5mgが出ていたレビー小体型の方です。

 長谷川式は考える集中力がない様子で全く答えられず、本人も「こんな状態になってしまって…」と非常に戸惑われています。眠いんだから質問に答えられないのはあたりまえなんですよ、必ずよくなりますから、と励まし、アリセプト中止を指示。その日はニコリン注射を打って帰宅としました。幻視に対して処方した抑肝散は、飲むと食欲が落ちるとのことで継続できなかったようです。

次の診察日。意識障害はだいぶ改善し、日中もずっと寝ていた状態から、茶の間で座って過ごすことが多くなったとのこと。しかし同行したお嫁さんは言いにくそうに、

「一長一短…ですかね。」

とおっしゃいました。意識がはっきりし、自分の思いを言葉にしたいのに、語義失語でうまく伝わらない。回りくどい説明になってしまい、それでもうまく伝わらないと、やつあたりのような攻撃的な言動が目立つようになったとのこと。この方もレビーの霧が晴れたらピックが目立つようになったケースです。慌ててウィンタミンを追加し、うまくいけばその時に処方を開始できるかも…と目論んでいたリバスタッチパッチは次回の宿題としました。

以上2症例とも、カルテにはっきりLPCと診断名を書いていたにも関わらず、目の前のレビーらしさに気を取られて、ピックの陽性症状対策をとらなかったことが反省点です。目の前でウツラウツラする方に、心情的には抑制薬を出しにくいのは事実です。しかしピックの陽性症状の強さを考えると、LPCと診断した以上やはり先を見越して対策を立てなくてはいけないようです。最初からほんの少しウィンタミンをかませる、もしくは家族の方に「こんな時には飲ませて下さい」と説明してあらかじめ渡しておく、というのがいいのかもしれません。まだまだ修行が必要です。

写真は、実家のある柏で清水公園を訪れた時のもの。荒馬というにはちょっと迫力不足?
e0320283_0541777.jpg

[PR]
by kasama-hospital | 2013-11-17 00:53 | 認知症・介護

当院での認知症タイプの割合・待合室ライブラリー

 9月から当院でコウノメソッドによる『もの忘れ外来』を立ち上げ、元々通院や訪問でお付き合いがあった方も含め40人前後の方を診察させて頂きました。まだ2ヶ月しかたっていないとは思えないほど、様々な驚きや気づき、そして喜びを頂いています。はるばる来院される患者さんご本人、付き添って一緒に来て下さるご家族の方、本当にありがとうございます。未熟ではありますが今後も精一杯力を尽くしますので、よろしくお願い申し上げます。

 一つの区切れとして、この2か月で診察した方の、タイプ別の内訳を出してみました。

LPC(レビー・ピック複合)6名 16%
DLB(レビー小体型) 12名 32%
FTLD(前頭側頭葉変性型)9名 22%
ATD(アルツハイマー型)3名 8%
ATD→DLB(アルツハイマーのレビー化)2名 5%
VD(脳梗塞型)1名 3%
タイプ不明 3名 8%
MCI(軽度認知障害)2名 5%

タイプ不明と言うのは、訪問診療などの診察を開始した時点で介護度が非常に高くコミュニケーションを全く取れない状態であり、かつ認知症の発症間もない時期からの経過を詳しく聞ける方が近くにいない、参考となる頭部CTも行えない(訪問診療)方が該当します。

世間一般で言われている「アルツハイマーが半分かそれ以上」という常識?から大きく外れた数字ではあります。しかし私の外来では、歯車様固縮がしっかりあって明らかにレビーという方でも「アルツハイマー型認知症」と診断されていた例が多いので、アルツ5-6割というのは「とりあえずアルツハイマーということにしておけば、半分以上の確率で当たるだろう。他の病名つけたって治療がよくわからないし。」という『とりあえずアルツ病』の方もかなり多く含まれていると思われます。

実際に外来で家族の方から聞いたお話では、一生懸命勉強されたご家族が、

「うちの母親の症状は、(先生の診断された)アルツハイマーではなくレビー小体型だと思うのですが…。」

と主治医に言ってみたところ、

「レビーだとしたって治療は別にない訳ですから…。」

と返されたというエピソードもあり。確かにその後の治療方針が付いてこないのであれば、あえて診断をつける意義は薄いと思われ、アルツだろうとレビーだろうと関係ないと言うことになるのでしょう。現にコウノメソッドを勉強する前の私は、上のように家族に詰め寄られたら、間違いなくドキッとしていましたし、内心戸惑っていました。

 それにしてもレビー小体型とピック、そしてその複合型であるLPCの患者さんは本当に多いです。そしてアルツハイマーは、割合的には少ない。その理由を考えた結果、本当に少ないという事実以外に、2つの仮説が浮かびました。

仮説1)レビー小体型は意識障害や幻視、ピック病は易怒性などのBPSD(記憶力低下以外の症状)が強く、せっぱつまって「病院に連れて行こう!」という流れになりやすい。一方アルツハイマーは発症も進行も緩徐なので、家族もゆっくりとその状態に慣れてゆき、受診のきっかけが掴みにくい。現にずっと拝見していた方でアルツハイマー型だと思われるご家族は、にわか勉強の私の治療の提案に対し、「まぁいい年齢だし、あまり薬などは使わなくていいですよ。」とおっしゃる方もいます。

仮説2)レビー小体型の家族は真面目で一生懸命なので、積極的に受診させる傾向がある。これは後日また別枠で詳しく書きますが、レビーのご家族は本当にまじめです。

 もっと勉強してゆけば、診断は大幅にくつがえる可能性がありますね。今年もあと2か月を切りました。年内に更にレベルアップするべく、勉強を重ねます。

 最後に当院の新たな取り組みのご紹介。以前からやりたいと思っていたのですが、ある方のご好意で大きく背中を押して頂き、実現しました。コウノメソッドに関連する書籍を、待っている方にご紹介し閲覧して頂けるコーナー、名づけて『待合室ライブラリー』です。

 現時点ではライブラリーと呼ぶにはあまりにささやかですが、まずは小さくても第一歩を踏み出してみることから。体調に余裕があり、待ち時間を持て余している方が、少しでも情報を得られるチャンスになればと願っています。来院された際には、ぜひご利用下さい。DVDの貸し出しも開始します。今後掲示板でのコウノメソッド紹介や、書籍の充実という形で発展させていければと考えています。

 それでは今日はこのあたりで。素敵な週末をお過ごし下さい。
e0320283_21221867.jpg

[PR]
by kasama-hospital | 2013-11-09 02:10 | 認知症・介護

今日も張り切って診療中


by kasama-hospital

S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

ブログジャンル