カテゴリ:お勧めの本( 3 )

食物アレルギーにお勧めの本

e0320283_17302855.jpg
食物アレルギーの講習をするにあたって、何冊かの本に目を通しましたが、特にわかりやすかった本がこちら。

『保護者と学校の先生に伝えたい 食物アレルギーの基礎知識』

色んな観点からの注意点や治療の流れが簡潔にまとめられていて、比較的読みやすかったです。
医療者でないながらも、少し踏み込んで勉強されたいという方にはぜひお勧めです。

一緒に写っているのは、練習用のエピペン、エピペントレーナーというキットです。
講習会では、実際に手にとって打つ練習をして頂きました。
[PR]
by kasama-hospital | 2013-05-31 17:30 | お勧めの本

線維筋痛症がわかる本 / 線維筋痛症は改善できる!

皆さんは、線維筋痛症という病気を知っていますか?ご存じでない方の方がが多いのではないでしょうか。

 恥ずかしながら私も、学生の頃に講義を受けた記憶はなく、医者になってから病名は知ったものの「あちこちが痛い病気だっけ?」という認識でした。

 この病気、日本においては医療関係者の間でさえ知名度が低く、適切に診断、治療されている割合が低いと言われている病気です。

 一般診療で行われる血液検査や画像検査では異常は認められません。そのため、広い範囲の激痛に苦しんで受診した患者さんは、しばしば医者にまともに取り合ってもらえず「精神科に行ったら…」と言われて適切な治療が受けられなかったり、さも気のせいのように扱われて社会や家族の中でさえ孤立しがちと言います。

 私自身は、つい先日まで入院されていた患者さんに使おうと鎮痛薬について調べた流れで、線維筋痛症の本を読む機会を得ました。

『線維筋痛症がわかる本』 『線維筋痛症は改善できる!』

 どちらも医学書ではなく一般書の扱いですが、非常に詳しく、一般医が読んでも非常に勉強になりました。(あまり詳しくない分野を勉強する場合、私は最初に一般の方向けに書かれた本を読んで大枠をつかんでから、特に詳しく知りたい部分で論文を取り寄せて読むというスタイルを取っています。)

 本を読みながら、私の頭にこれまで出会った何人もの患者さんの顔が浮かび、もしかすると、あの方もあの方もこの疾患だったかもしれない…といたたまれない気持ちになったのが正直なところです。
 痛みの訴えが華々しい一方で検査で異常が見られないので「訴えが多い困った患者さん」という扱いを受けがちなのです。暴力的なことを言わないまでも、その辛さを推し量らず、流してしまったところがあったのではないか…。私がもっと早くこの疾患について知識があれば、もしかすると痛みを和らげて穏やかな生活を送ってもらえたかもしれない、と今は一人一人に謝りたい気持ちです。

 少なくとも、これから出会う患者さんには、きちんと診断をつけようと決意したことは言うまでもありません。まずは院内の勉強会でこの疾患の認識を共有し、患者さんの痛みの訴えに真摯に耳を傾けようと思います。
e0320283_013428.jpg

[PR]
by kasama-hospital | 2013-03-26 00:00 | お勧めの本

元気が出る老人介護

 高齢者介護について、面白い本をご紹介します。
e0320283_031168.jpg

 著書の三好春樹さんは、就職先がなかったためにたまたま老人ホームに就職したことから介護に携わるようになり、後にPTの資格を取って再び老健施設に戻ったという経歴の持ち主。‘医療‘‘福祉’という権威を振りかざして高齢者の生活を阻む人や制度を、本の上でばっさばっさと切っていくのが、切られている当の医療者ながら小気味よいものが。

 私が茨城県の小さな病院や診療所をうろうろするようになって、今年で9年目になります。県立中央病院での研修医生活を終えて、一人で高齢者と向き合うようになって数年たち、正直言ってなんだか毎日の診療が面白くないな…とうつうつしていた時期がありました。大学病院のように最先端の医療をやる訳ではない、ガイドラインに乗っとった‘標準的な治療’をしようにも、高齢の患者さん相手ではなかなかうまくいかない。適応があるからと張り切って総合病院に紹介しようとしても、家族に
「もう年なので紹介しなくていいです。ここでやれる範囲でやって下さい。」
と言われてしまったり、認知症の患者さんとはうまくコミュニケーションが取れなかったり。

 どうやら高齢者の生活にとっては、‘医療’と‘介護’が同じくらい、いや慢性期で落ち着いている方では圧倒的に介護の方が重要な地位を占めるんじゃないか…ということに気がついてしまったのです。
医療者としてはちょっとした敗北感を感じつつ、気を取り直してそれならば介護にも正面から取り組んでみようと、介護の教科書のようなものを買って読んでみたのですが、あっという間に挫折しました。本を読むのは嫌いではないはずなのに、どれこもれも面白くない。
‘認知症患者への正しい対応の仕方’なんて

「それが出来るんなら苦労しないよ~。介護者だって人間だから、疲れていたりイライラしてたらそんな風に優しくなれないって。」

と言いたくなるような、聖人君子的な対応が求められていたり。切羽つまった気持ちでこれを読んだ介護者は、自分を責めてますます落ち込んでしまうのでは…とさえ思いました。

 高齢者と向き合う町医者にインパクトと知識を与えてくれるような介護の教科書はないかな…と探した時に出会ったのが、三好春樹さんの本だったのです。初めて読んだ本は、教科書なんかではなく書店で並べられていた文庫本の『老人介護~じいさんばあさんの愛し方』でした。本当に衝撃的でした。最後まで読んで本をパタリと閉じた時に、ついに出会ってしまった…と興奮でドキドキしていました。介護って…介護って…楽しかったんだ~~!!(日々介護で大変な思いをされている方は不快に思われるかもしれません。ごめんなさい。でも、私はその時本当にそう思ったのです。)それからは、次から次へと三好先生の著書を買いあさり、今でも介護に関する私の心の師匠であり続けています。

 それまでの私が、介護にあまり興味が持てなかったのは、‘医療’という切り口から高齢者を見ていたからなのかもしれません。医療は「問題点(プロブレム)を探す」という所からスタートします。高齢者は、彼に伴う‘悪いところ’だらかで、そういう意味ではプロブレムリスト作りに不自由はしないのですが、標準的な治療をしようと思うと別のプロブレムが足を引っ張ってなかなかうまくいかない。野菜で言えば‘規格外’の連発で、全く売り物になりません。(10代20代のピチピチの体が規格品です♪30代の私は…アウトレット?)それを生活指導やら薬やらによって少しでも規格品に近づけようというのが医療なのだとすれば、なかなかうまくいかないのはあたりまえ。うまくいかないのは面白くないという訳です。

 三好春樹は「看護師は医学的な知識があるから介護ができると周りも思っているし、本人もそう思っていることが多いがとんだ勘違い。看護師は介護が下手。」(いわんや医者をや、ですね)なんて言っていますが、それは‘悪いところ探し’から出発する介護だからかもしれません。介護に必要なのは、‘生活’という切り口から高齢者を見ること。ありのままを受け入れることから出発するんですね。私はこの本を読んでようやくそのことに気がつき、高齢者の方と向き合うのがずっと楽になりました。余計な力が抜けたのでしょうか。

 三好先生の本には、頑固だったりプライドが高かったりエロかったり、性格が悪そうな老人が次から次へと出てきて、施設のスタッフも日々四苦八苦しています。年をとると人格が成熟するなんて冗談じゃない。(‘性格が煮詰まる’と表現されています)対応もケースバイケース、マニュアル化なんてとても出来ません。腰が曲がったりマヒが出たり耳が聞こえなくなったり
…にも関わらず、年を取るって悪いことばかりじゃないな。この本を読むとそんな風に思えるのです。
[PR]
by kasama-hospital | 2012-11-08 00:29 | お勧めの本

今日も張り切って診療中


by kasama-hospital

S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

ブログジャンル