グラム染色修行(その2)

途方に暮れた私が泣きついた先は、研修医時代からお世話になっている、県立中央病院の臨床検査室です。お世話になっているとは言うものの、中央病院にいた当時はろくろく検査室に足を運んだこともなく、技師さんともほぼ初対面。単に病院そのものに馴染みがあるというだけで研修日に押しかけてしまったのです。技師さんだって普段の業務がお忙しいでしょうし、おまけに今や私は完全な部外者だと言うのに!中央病院の技師さんは、比較的業務が落ち着いている午後を指定され、後日数時間かけて丁寧に手技のレクチャーをして下さったのです。何て親切な方がいるものだと、大げさではなく胸が熱くなりました。
 技師の粟野さんと関さん(お2人ともチャーミングな女性です♪)は、内心あきれていたに違いありません。私の知識の乏しさに。

「あの…青が陽性でしたっけ?陰性でしたっけ?」(信号で青だから(+)と今は覚えました♪)

「顕微鏡は…レンズを最初に近づけて見ながら離していくんでしたっけ?」

レクチャーを乞うのが失礼なほど素人くさい質問を終始連発してしまいましたが、粟野さんは笑うことも怒ることもなく、優しく答えて下さり、一緒に染色もやらせて下さいました。

お陰で、うちの病院の顕微鏡は今コンデンサが下がっているのではないか(皮膚科の先生が使われている場合、下がっていることが多い)、そして1000倍の強拡大には油浸レンズが必要だという衝撃の事実(!)も判明し、どうやらその2つが敗因ではないかと明らかになったのです。いやもう、そんなことも知らないで始めようとしていたのか、と赤面ものですが(今日ここに記事を載せて更に恥の上塗り)聞くは一時の恥です。

 そして意気揚々と病院に戻って油浸レンズを待つことウン週間(何でこんなに時間がかかるんだ…)待望の油浸レンズが到着。コンデンサもばっちり上げて、セカンドトライ。染色で待つ時間ももどかしく、見てみると…見えた~~!!!県立中央病院検査室様様です。

 これにすっかり気をよくして、うちの病院ではグラム染色が本格的にスタートしました。院内で勉強会も開かれ、自分なりに教科書を読んで、ばっちり♪かと思いきや、なんだか痒い所に手が届かない…。
いや、すっきりとクリアな時もあるのです。臨床的な背景と目の前の細菌が矛盾なくかみ合い、岡安さんと「今日はうまく行ったね!」と言い合える時、抗生剤開始数日後の染色で白血球も細菌も見られなくなって、確かに効いているという実感を持てる時も。ただ、細菌感染が疑われるのに菌が認められないこと、白血球はワサワサいるのに菌がいない…ということもあって、解釈がうまく出来ないことも。教科書な知識と現場をつなぐ、もう少し実践的なレクチャーが欲しい…。
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by kasama-hospital | 2011-10-16 00:35 | グラム染色

今日も張り切って診療中


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