またまたグラム染色

こんにちは!白土です。霜が降りて暖房が欠かせない季節となりましたね。すっかりレポートが遅くなってしまいましたが、11月12日土曜日、グラム染色講習第2回目が行われました。
 
…と他人事のように言っていますが、実際のところは、1回目の講習に感銘を受けた市立病院と県立中央病院のスタッフが、「もっと勉強したいです!」とお願いし、お忙しい相原先生に時間を作って頂いたのが実情です。今回のレクチャーの舞台は市立病院。うちの病院には対面顕微鏡(2人で同時に見ることが出来る顕微鏡です)はないため、相原先生自ら顕微鏡を持参して下さいました。(杉山様、本当にありがとうございました。)

 今回の参加者は5人と、前回のレクチャーより更にこじんまり。実際にスライドを見ながら、所見を取っていく流れを中心に教えて頂きました。

相原先生と私たち生徒の一人が同じスライドを見て、

先生「じゃ、次は何を見るんだっけ?」

生徒「好中球の数を…。」

先生「そうだね。この視野に好中球はいくつぐらいある?」

生徒「500くらい…でしょうか?」

先生「え!なんで??2500-2600くらいあるでしょう!!!」

生徒「はぁ…そう言われてみれば…。」

先生「じゃあ、次は強拡大ね。感染の原因菌の定義は?」

生徒「え~と…。」

先生「5秒ルールね!」

生徒「え!あ!好中球が集まる複数の視野において…うんと…」

先生「はい、5秒たった!」

…という風に、優しく(笑)教えて下さいます。かなか修行らしくなってきました。

5人が順番に顕微鏡を覗くので、反復が多くなり、しっかり定着するというメリットも。感染の原因菌の定義は、『好中球が集まる複数の視野において、同一形態の菌が3+以上見られた場合、その形態から推測される菌種に関わらず、原因菌と定義する』はい、ここテストに出ま~す。私も犬の散歩をしながらお経のようにブツブツくり返して、さすがに覚えました。

 今回学んだ大切なことのもう一つ。『目の前のものをありのままに、素直に読む』ということ。グラム染色については知識も経験も乏しいため、これが非常に難しいのですが。どうしても「間違っていたらどうしよう」という不安が拭いきれないのです。でも、相原先生いわく「そんなことは心配しなくていい!」のだそうです。それが一見臨床と矛盾している結果のように見えたとしても、目の前に見えている事実については、自信を持って報告をする。その矛盾(のように思えたこと)から新たな発見が生まれることがあると。う~ん、科学者の視点ですね。

 そうそう、相原先生と中央病院の技師さんとの会話は、時々私には高度過ぎて難しかったというのも本音です。それでも相原先生に、

「顕微鏡を覗くプロである技師にはこのレベルを求めます。医師はここまではいいでしょう。」

と言われると、なに~医師も技師も同じ人間だからやる気があれば何とかなるはずだ~頑張ってクリアしてやる!と思ってしまうから不思議ですね。

これには理由があり、当院の技師である岡安さんは、今の私にとって強力な学び仲間であることに間違いはないのですが、24時間一緒に働いてくれる訳ではないのです。先日の当直時、寝たきりの高齢患者さんが発熱で緊急入院となりました。時は深夜。これまでであれば、‘肺炎の疑い’ということで痰や血液の培養を提出し、抗生剤を開始しておしまいでした。しかし幸か不幸か(?!)グラム染色を学んでしまった私。ここで深夜だからとグラム染色をやらずにすませたら、あの学びは単なる自己満足になってしまう。

 面倒だな…と一瞬ためらった自分を恥じつつ、一人孤独にグラム染色をスタート。いつも岡安さんが仕切ってくれていたグラム染色ゆえ、検査室の扉を開けてアセトンアセトン…と準備するところから。慣れぬ手技ゆえに粘調の痰がスライドガラスからはみ出て慌てたり、検査時間は1時間を超え、ちっとも‘迅速検査’とは言えず。しかし口腔上皮と白血球と多種細菌が混然一体となった誤嚥所見が見られた時には、時間を忘れて感動しました。

 翌日岡安さんに「いや~昨日は大変だったよ。これからは深夜にも毎回岡安さん呼ぶから、一緒にやろうね!」と言ってみたところ、「着信拒否します。」と言われてしまいました。(当然)やはり技師さんに頼り切らず自ら手技に習熟しておかなければ…。

 今回の一連の勉強会を経て、グラム染色のレポート用紙も作成しました。ここに所見を書き込んでいけば、もれなく観察できる…はず。修行は、まだまだスタートしたばかりです。
                                        白土綾佳
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by kasama-hospital | 2011-11-24 00:26 | グラム染色

今日も張り切って診療中


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