線維筋痛症がわかる本 / 線維筋痛症は改善できる!

皆さんは、線維筋痛症という病気を知っていますか?ご存じでない方の方がが多いのではないでしょうか。

 恥ずかしながら私も、学生の頃に講義を受けた記憶はなく、医者になってから病名は知ったものの「あちこちが痛い病気だっけ?」という認識でした。

 この病気、日本においては医療関係者の間でさえ知名度が低く、適切に診断、治療されている割合が低いと言われている病気です。

 一般診療で行われる血液検査や画像検査では異常は認められません。そのため、広い範囲の激痛に苦しんで受診した患者さんは、しばしば医者にまともに取り合ってもらえず「精神科に行ったら…」と言われて適切な治療が受けられなかったり、さも気のせいのように扱われて社会や家族の中でさえ孤立しがちと言います。

 私自身は、つい先日まで入院されていた患者さんに使おうと鎮痛薬について調べた流れで、線維筋痛症の本を読む機会を得ました。

『線維筋痛症がわかる本』 『線維筋痛症は改善できる!』

 どちらも医学書ではなく一般書の扱いですが、非常に詳しく、一般医が読んでも非常に勉強になりました。(あまり詳しくない分野を勉強する場合、私は最初に一般の方向けに書かれた本を読んで大枠をつかんでから、特に詳しく知りたい部分で論文を取り寄せて読むというスタイルを取っています。)

 本を読みながら、私の頭にこれまで出会った何人もの患者さんの顔が浮かび、もしかすると、あの方もあの方もこの疾患だったかもしれない…といたたまれない気持ちになったのが正直なところです。
 痛みの訴えが華々しい一方で検査で異常が見られないので「訴えが多い困った患者さん」という扱いを受けがちなのです。暴力的なことを言わないまでも、その辛さを推し量らず、流してしまったところがあったのではないか…。私がもっと早くこの疾患について知識があれば、もしかすると痛みを和らげて穏やかな生活を送ってもらえたかもしれない、と今は一人一人に謝りたい気持ちです。

 少なくとも、これから出会う患者さんには、きちんと診断をつけようと決意したことは言うまでもありません。まずは院内の勉強会でこの疾患の認識を共有し、患者さんの痛みの訴えに真摯に耳を傾けようと思います。
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by kasama-hospital | 2013-03-26 00:00 | お勧めの本

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